まず、Whyからはじめよう――ゴールデンサークルから見る王道パターン

DX・アジャイルに限らず、新しい取り組みを始めるときに必要なのは、その取り組みをおこなう理由……Why(なぜ?)をしっかりと考えてから行動に移すことです。この考え方は、2009年サイモン・シネック氏が提唱したゴールデンサークル理論に基づきます。

ゴールデンサークル理論では、優れたリーダーの考え方として

  1. Why(目的)に基づき
  2. How(手段)を用いて
  3. What(行動)を起こす

という順番で物事を考えることの重要性が説かれています。目的を言語化し共有できていないと、他者を巻き込んで行動することは難しい、ということです。組織改革という大きなゴールのためには目的の言語化と共有は欠かせることはできないのです。

サイモン・シネックのゴールデンサークル理論

小さな型からはじめるための、アジャイルCoEとアジャイルガイド

しかしながら、大組織の誰もを納得させるような完璧な目的と手段を設定することは現実的ではありません。そうした長大な計画は実際に行動に移すまでに多大な時間を消費し、また現実離れした机上の空論になりがちです。

アジャイルな組織運営による改革は、一朝一夕にはじめて組織に浸透するようなものではありません。

小さく始めて行動に移し、段階的に取り組みを広げていく過程が必要になってきます。私たちはただ「正しく計画する」だけでなく、これを素早く行動に移すことで学びを得ながら、そのムーブメントを育てていく必要があります。そのために必要なのがアジャイルCoE、そして最低限のアジャイルガイドという小さな型なのです。

小さな型から、すばやくはじめることが重要

小さなアジャイルCoEをギアにする

アジャイルCoEは部署の枠を超えて、組織へのアジャイル導入を機動的にリードするチームです。しかし最初から全社的な取り組みとしてアジャイルCoEを発足させることには大きな困難が伴うでしょう。組織にはさまざまな価値観が混在しており、いきなりこれらを同じテーブルに並べると方向性を見出すことが極めて難しくなります。

アジャイルCoEのスタートは必要最小限の規模から始めるべきです。メンターとDX推進部署の代表といった小さなチームからはじめ、ノイズの少ない環境ではじめることができる具体的施策を短期間で練り上げ、最初のアジャイルガイドを発行します。

アジャイルCoEの戦略とアジャイルガイドは、まずは最初の具体的施策をともに実現するべく行動する小さなチームから共有します。

このように、アジャイルCoEは組織のアジャイル化を進める小さな動力(ギア)として機能し、ごく小さな周辺を巻き込み具体的な動きにするところからスタートします。私たちは行動の中でしか、アジャイルな物事の進め方を学ぶことはできません。その繰り返しの中でアジャイルなあり方についての理解を周囲に広め、取り組みを成長させていきます。

※CoE……センターオブエクセレンス(Center of Excellence)。組織を横断するような大規模な取り組みを継続的におこなうための中核となる部署やチームのこと。

アジャイルを広めるための足場づくり
ガイドラインの制作とアップデート

アジャイルガイドは全社にアジャイルとは何か、それで何ができるのか、どのように実践していくのかを理解してもらうための足場・定点としての役割を果たします。そしてもちろん、このアジャイルガイドを企画し、制作するのはアジャイルCoEの重要な役割のひとつです。

アジャイルの教則本というべき書籍は世の中に多く広がっていますが、これをDX・組織改革の文脈から捉えたものはまだ多くはありません。そして、それらはあなたの組織の事情に対応したものでもありません。あなたの組織についてよく理解している者がアジャイルガイドを作り、これを段階的に広めていく必要があるのです。

最初から大規模なガイドを作ることはありません。最初は30ページ以内の小さなガイドの作成を目指します。

なぜなら最初から長大に作られたアジャイルガイドは、大部分が実践を伴わない想像で作られたものになり、あなたの組織にフィットしない可能性が高いからです。こうしたガイドラインはアジャイルCoEの外の人に受け入れられることもないでしょう。

したがって、初期のアジャイルガイドは組織の標準的なルールを目指すものにはしません。アジャイルCoEそのものと同様に、徐々に周囲を巻き込みながら段階的に発展させていくものになります。

改革の入口で立ちすくむあなたへ

エナジャイルの取り組みをここまで読んだあなたは不安になるかもしれません。このような大きな取り組みを確実に、継続的に、前進させていけるのだろうか……。

しかし心配することはありません。そのためにわたしたち、レッドジャーニーのメンターが伴走するのです。もちろん、プロジェクトの成功にあなたをはじめとする組織の情熱は必要です。ですが、困ったときに孤独を感じることはありません。DXとアジャイルの専門家として、わたしたちはあなたの組織をしっかりとバックアップします。

Do Agile. Be Agile.
さあ、最初の一歩をいま、
わたしたちとともに。

アジャイルな組織への第一歩は、正しく計画し行動すること。ぜひ、もう一度わたしたちの考えを読み、じっくりと考えてみてください。わたしたちレッドジャーニーは、改革のための第一歩をあなたとともに踏めることを、心待ちにしています。

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